指定席車の利用状況は流動的で、平日日中の列車だけを見れば指定席車はほぼ空気輸送であり、一見もったいないかのように見える。しかし通勤ライナーとしての需要が高く、特に平日朝ラッシュ時の難波行き「サザン」は指定席車が4両でも前日には指定券が売り切れることがあるほどの利用があることや、土休日も終日それなりの利用があることを踏まえると乗客の流動に合わせて増解結作業を行う方がかえって不合理であるとの判断から、敢えて指定席車を4両固定にしているものと考えられる。
これに対し、自由席車は4両しかないので、時間帯を問わずいい乗車率。
朝ラッシュ時の上りには、所要時間が殆ど変わらない急行が特急サザンの3~4分後にくっついて走るダイヤが組まれている。万が一自由席車が4両で積み残しが発生してもあとの急行に分かれて乗ってもらおうと最初から割り切っているものと思われる。
なお、南海の広報誌によると「サザン」の利用者数は年間延べ170万人台、座席指定券の年間売上高は8億円前後と堅調に推移している。座席指定車の定員で割ると平均乗車率は30%弱となるが、平日日中の空気輸送の便を含めてもこの数値であるから、ラッシュ時の取りこぼしを防ぐために指定席の4両連結はやはり妥当と言える。
ちなみに自由席の車内に関しては指2自4だった四国号時代の方がよっぽど混んでいた