Linuxブームというのはそもそも欺瞞的な言葉である。それはもちろん、
Linuxというkernelだけがブームになっているわけではなく、
OS全体としてのLinuxが評価されているからであり、
そこで使われているソフトウェアは大部分が
GNUプロジェクトのものだからである。

そう、そのOSは本来GNU/Linuxと呼ぶべきである。
評価の対象とされているのは本質的にはGNUである。

そして当たり前のことであるが忘れてはならないのは、
GNUはUnixではないということだ。
なぜ当たり前と言ったかといえば、GNUはGNU's Not Unixの略だからだ。
GNUはたしかに最初のとっかかりとしてUnixを使用したが、
目指すところはもっと先であった。
その目指すところが何かと言えば、コンピュータのソフトウェアにおいて、
真の意味での自由な環境を実現することである。
それがこの名前の意味するところである。つまりGNUは、
Unixが元々持っていた思想や目標よりも、はるかに先を目指している。

GNUはUnixではない。
そしてGNUが良いから、GNU/Linuxが良いのである。
つまりLinuxブームというのは実際のところはGNUブームなのだ。