「どうしたというんだ。私に話して御覧」
ゲイツに優しい笑みを投げながら、そう言うバルマー。
沈黙するゲイツ。
窓の外の青空。
静かな午後。
パソコンの排気音。
ゲイツの手を、そっと握るバルマー。
ゲイツの頬を伝う涙。
「僕、ストールマンに……」
ポツリとつぶやくゲイツの唇。
「いやらしいこと、されたの……」
打ち明けるゲイツ。
返ってきたのは慰めの言葉でも許しの抱擁でもなく。
飛んでくる、冷たい平手。
ゲイツのオフィスに響く、肉を打つ乾いた音。
「嘘をつくんじゃあない!」
鬼の形相となったバルマー。
守るべき世間体。
偽りの会社。