>>730
実際はその通りだと思う.
不死・神・正義がないと人生は外部から与えられる目的や
死の恐怖を癒す術なく,絶望的なものになる.

だからといって,神を信じて「もし」死後無になるとしたら,
それはごまかしでなくてなんであろう.最低限,こうは言えると思う.
「私たちは死後自分が永生するか無に帰すか,確かなことは何も言えない」
と.熟睡や全身麻酔という事例から,意識がない,という状況事態は
十分存在するのだから,死後それが到来する可能性も保持され続けなければならないんじゃないかな.
もちろん,まだ私たちは「意識」や「時間」や「私」についてまだ十分な論究ができていないから,
身体と存在を同一視することはできないと思うけどね.

死の恐怖を力の限り告発した名著として,
ミゲル・デ・ウナムーノの『生の悲劇的感情』を
是非読んでほしい.これ以上に死を激しく語った本は,
中島義道くらいしかいないと思う.