白目/yasu

ジャンヌダルク脱退の真相

ジャンヌダルクについて語る時、今でも複雑な想いが心の中にある。
ソロになってからも、僕の中には、いつかまたみんなでジャンヌをやれると、思っていた部分があった。
(〜中略〜)

関係が、おかしくなり始めたのは、バンド活動と平行しての、それぞれのソロ活動('07年1月)が近づいている頃だった。
決定的だったのは、僕が『Acid Black Cherry(以下ABC)』というソロプロジェクトを立ち上げた時だ。
それまでは、僕は相川七瀬に「R指定」という曲を書いたりしていたが、実際の売れ行きは鳴かず飛ばずで、メンバーに陰で馬鹿にされていたことも後で知った。
1stシングル『SPELL MAGIC』から、僕はソロで唯一、オリコン初登場5位以内という売上記録を残したメンバーになった。
メディアで、僕だけ単独で取り上げられることが増え、僕は完全に孤立した。
正直それは、僕自身ビックリするほどだった。メンバー内が僕対4人にキレイに分かれた。
誰も仲介に入らず、誰も僕をフォローすることはなかった。
『ABC』は、やるべきではなかったのかと思ったが、しばらくすれば、また元に戻るだろうという気持ちもあった。
結局、そうなることはなかった。
1つには、金銭の問題があった。金とは恐ろしい。
僕はラルク信者時代にそのことを学んだ。
いきなりCDのニューアルバムが2枚同時にポンと発売されると、物の価値がわからなくなる現象に人はハマる。
たとえば、ラルクが活動休止中にも関わらず『flower』のシングルだけを延々と聴いていた人がいたとする。
昼は『flower』、夜に『さようなら』、たまにhydeless versionで僕が代わりに歌ってみようかという生活だ。
ところが一晩寝て起きると、いきなりラルクが活動開始、シングルのタイトルがバンド名を冠した『虹』で発売された――としたら?
hydeless versionの価値は100分の1。約1000円のシングルは10円の感覚。
であれば、今まで発売されたシングルやアルバムを全て買い集めてもいいんじゃないのか?と、思ってしまう。
だが、その時のDuneの初回限定版は、実際には、約60000円ってことだ。
(〜中略〜)