俺が見ていたもの
その2
うちの近くには昔、狐が棲んでいた。
白い狐で、よく赤いよだれ掛けを川で洗っていた。
時々、目が合うとすごく恐い貌で睨むので、俺はあいつが嫌いだった。
あいつが道を歩いている時なんかは最悪だ。
うっかり出くわすと、いつまでも後ろからついてくる。
稲荷神社の跡地にあったお堂に賽銭を放ると、ついてくるのを止めるのだが、全く、子供の小遣いを当てにするとはふてぇ奴だった。
また、あいつはよく豆腐屋の店先に座り込んで、客を威嚇していた。
そうすると、豆腐屋の婆さんがお揚げをお堂に供えに行く。
婆さんは、お客さんが急に来なくなったときは、お稲荷さんがお腹を空かせている時なんだよ。と言っていた。

お堂が、区画整理だか何かで移動されたあと、俺は彼を見なくなった。
何かさびしい気もした。
そのしばらくあと、豆腐屋は客足が遠のいて店をたたんだ。

んで、
話は牢だが、青年生きてると思う?死んでると思う?
俺としては死んでくれてたほうが、楽なんだが。

それと全然関係ないけど、ドランクの塚地が女子ゴルフトーナメントに出てると思ったが、よく見ると賞金女王の不動だった。