ほのぼのかどうかわからないけれど…

戦前に中学校を出て海軍に入り、すでにベテランになっていた零戦搭乗員のお話。

太平洋戦争。外地で散々戦って生き残り、戦争末期国内の基地に転勤になった
彼が基地の食堂で部隊の同僚、上司とご飯を食べていたら、ご飯を出しお茶をくむ
従兵の一人に見覚えがあった。よく考えたら中学校時代の先生だった。それで、
なんだか暗い気持ちになった。

彼の表情を見ていた部隊長が「何かあったのか」と聞く。
彼は「あの従兵、私の中学校の先生でした。」と答える。
部隊長、立ち上がり、「きさま、恩師に給仕させるとは何事か!」

怒鳴りつけた部隊長は彼を連れて厨房に行き、従兵(中学校の先生)に対して
自分の部下の失礼なふるまいを謝り、その後、従兵の任務をといて何か他の
係にした。

当事者の零戦搭乗員、戦後振り返ってあの隊長いい人だったなーと思って
自身の戦記にこのエピソードを記す。何で読んだのか覚えていないけれど、
いい話だった。