アメリカ史のグループで見つけた話
 
1936年のベルリンオリンピックで、ジャンプ競技でアメリカの黒人ジェシー・オウエンスが金メダルをとった。

オウエンスは最初、予選を通過できそうになかったが、おなじ競技に参加していたドイツ人ルッツ・ロングの助言を得て予選通過。決勝戦ではそのロングを下して金メダルになった。
ロングは金メダルをとったオウエンスをヒトラーが見ている前で祝福し賞賛した。それを見ていたベルリン市民も自然に黒人オウエンスに歓声を送った。
 
その後、オウエンスは、「ヒトラーの前で私に友情を示すにはたいへんな勇気が必要だったと思う。金メダルなんかルッツ・ロングの24カラットの友情の前には溶けてしまうよ」とコメント。
 
その後、第二次大戦。ロングはドイツ軍兵士として従軍するが、戦争中もオウエンスとの連絡を維持する。彼は1943年にシシリアで戦死するが、その前にオウエンスに「俺が戦死したら、息子に戦争が始まる前からの俺たちの友情を伝えて欲しい」と書き残していた。
 
戦後、オウエンスはルッツ・ロングの最後の願いをかなえるためにドイツを訪問し、ロングの息子、カイ・ロングと出会い、父親の話をする。その後、カイ・ロングが結婚したときにはオウエンスが花婿介添人の役割を果たした。