山本七平が ルソン島に転属して、司令部にある街に出張した時
到着にの挨拶を司令部でした時に机の上の軍隊ハガキを見つけて
1枚失敬した

軍務で出張なのでコロニアルホテルにチェックインして
シャワーと風呂で石鹸でアカスリしたら、とめどもなく垢が出て
風呂の表面に垢が一面に浮いてすごかった
3回くらいお湯を変えないと風呂の底が見えない
次の日、司令部で重要作戦会議なんだけどハガキが気になって何も耳に入らなかった

さっぱりしてから、クリスチャン牧師の知人がフィリッピンのこの街の
教会にいたのを思い出して、消息を探して街を歩き、なんとか牧師を知る
人と話ができた。
山本氏の実家宛てに、牧師さんからよろしくと消息を書いて投函
とにかく配備場所や任務を書くと検閲に引っかかるので
単に知り合いの牧師の消息を伝える文面のみにしたと言う。
山本氏の実家では、フィリッピンの牧師さんの所在を思い出して
あの大きな街でハガキを出せるくらいの地位の上級司令部のペーパーワークで
安全な場所だと喜んでいた。

現実の山本氏はそれから100キロ離れた山奥の陣地で米軍の侵攻に
絶望的な防御戦闘と指揮する部下と山砲を全て失い
水牛を撃ち殺したり、村に押し入り籾を盗みながら逃避行をして死ぬ思いで終戦を迎えた

ほのぼの