高山正之「折櫛の記」43頁   『月刊正論』今年12月号より

 一方のドイツ人はよその国が馬鹿に見えてしょうがない。EUを仕切り、
再生エネルギーも範を垂れて見せるが、ただ日本人には何をやっても
敵わない。戦時中メッサーシュミットを飛ばしたが、米国の空飛ぶ要塞
B17には歯が立たなかった。そのB17が零戦にばたばた落とされたと
聞くともう憎くてたまらない。南ドイツ新聞のボルクが皇太子のズボンに
「役立たず」 と書いたが、ただ野卑さしか感じない。

ドイツの過大評価はドイツ軍のそれもろとも止めるべきだとおれさまは
痛感する。そのうえで日本は戦前からの先進国だった喜びを心から
噛み締めるべきだ。