イラク、ISISとの戦闘の戦訓を盛り込んでT-54/55、69式の近代化を行うことに
https://warisboring.com/iraq-learned-tank-lessons-in-the-war-with-islamic-state/

イラクはロシアからのT-90の輸入と並行して、既存のT-54/55、69式戦車をアップグレードすることを計画
アップグレード名称は「Khafil-1(アラビア語で保証人を意味するとのこと)」

国産の付加装甲、ヨーロッパ製の爆発反応装甲、FCSの高度化、弾薬庫を乗員区画と分離して生存性を
改善、RWSを搭載するなどして全般的な能力を向上させる
計画

イラクはアメリカから140両のM1A1を調達。M1A1はISISとの戦闘でATMによる被害を受けながらも
有効な働きを見せたが、イラクの財政状況ではさらに多くを調達するのは難しい。国際戦略研究所
によると、2016年段階でイラク軍は約100両のM1A1、120両のT-72、50両のT-55を所有していた。

T-55の近代化を行うもう一つの理由は、西側の大型MBTよりも、T-90やT-55など比較的小型の戦
車のほうが、イラクでの戦闘には適していた戦訓がある。新たにヨーロッパから戦車を買うには訓練
やインフラ整備などが必要なのもネック。

記事では、T-54/55、69式を非対称戦争に対応したアップグレードを行うのは現実的で有効なアプロ
ーチだと評価。イラクやシリアでは武装勢力がATMを装備していることが多く、旧式戦車でもATM対策
が不可欠となっており、これらの対策を施したKhafil-1はイラクの戦場に適した戦車となりうるとしている