海兵隊タイムズによれば米海兵隊が主力戦車M1A1「エイブラムス」廃止を決断を下したのは裏には、
もはや珍しくもなく世界中に普及してしまった無人機や精密誘導兵器の前に「戦車」や「装甲車」といった
時代遅れの装備は生き残れないと考えているからだと報じ、
この考えを裏付ける実例として今年2月にトルコ軍とシリア政府軍との間で発生した戦闘とリビアの例を挙げた。

トルコは国境沿いに位置する「イドリブ」を拠点に活動している反政府組織をシリア政府軍から守るため、
トルコ軍を動員してシリア政府軍の戦車や装甲車を100輛以上破壊し少なくない政府軍部隊を壊滅に
追い込むことに成功したが、この時に活躍したのが無人機と精密誘導兵器だ。

シリア政府軍の戦車や装甲車は建物や茂みに隠れたりカモフラージュを施しトルコ軍からの攻撃を
回避しようとしたが、上空を飛行する無人機に搭載されたセンサーや赤外線画像の前には無意味で
次々と位置が特定され遠距離からの精密誘導兵器による攻撃で破壊されてしまった。

さらに北アフリカのリビアでは国連に支援を受けている政府軍が、
対地ミサイルを搭載搭載可能な中国製無人機「翼竜U」をUAE経由で入手した反政府武装組織
「リビア国民軍」に苦戦しており、もはや無人機による戦場上空の偵察・監視や搭載した
精密誘導兵器による攻撃は、米国など一部の国に限られた「特別な手段」では無くなってしまったのだ。


米海兵隊が減らした内容

戦車大隊(主力戦車M1A1や架橋戦車を含む)を全て廃止
歩兵大隊を3個大隊削減して21個大隊へ
砲兵大隊を16個大隊削減して5個大隊へ
水陸両用車中隊を2個中隊削減して4個中隊へ
F-35を装備する飛行中隊の定数を16機から10機に削減
MV-22とCH-53Eを装備する飛行中隊を各1個飛行中隊分廃止
AH-1Zを装備する飛行中隊を2個飛行中隊分廃止
調達を予定していたF-35BとF-35Cを計130機分キャンセル
調達を予定していたCH-53Kを130機分キャンセル
総兵力の7%にあたる約1万2,000人の兵士削減