対水雷用の液層防御や多層防御はアメリカのテネシー級から採用されており世界的に普通に知られたものでした

日本ではユトランド海戦を調べた藤本喜久雄造船官がそれを積極的に取り入れようとしましたが、
部下である彼を敵視していた平賀譲造船官が自分で考案した平賀式内装バルジ(長門〜八八艦隊に採用)と液層を含む米国式多層水雷防御を比較して内装バルジの方が優れていると判定し採用しませんでした
後年平賀氏の弟子達の世代で後者が優れていると言う実験結果が出ましたが、時既に遅く航空母艦大鳳に採用が間にあったに過ぎません

それと液層防御区画は普段は燃料タンクとして使い、燃料消費後海水を注入するのですがここらへんの手間や整備が大変と言う欠点があります
また平賀式内蔵バルジから構成される加賀以降の八八艦隊計画主力艦の構造は英国式から離れ日本独自のものとなった画期的な設計でこれが実現出来たのが過渡期の不完全な長門型に留まったのは大変残念ではありました