あのな、底辺の一兵卒ならともかく、将軍には政治力も要求されるんだよ。言葉通りの政治力だけでなく、組織内の人間関係って意味合いでの“政治力”もだ。
たとえしょぼい遊撃戦が、敵先鋒を鈍らせるだけのものだったとしても、その矛先を鈍らせ自由な活動を掣肘する効果はあるし、実際にあった。
また戦略的に価値のない勝利であっても、敗戦続きの味方を鼓舞し、敵を萎縮させる意味は高いし、なにより戦闘経験を積ませる事にはなる。

そして最も重要なことは、背後の政治家たちに「実は腰が引けてますよ』なんて思わせず、順調に戦果を上げてると見せかけねばならないことだ。
何しろ無責任な立場で簡単に前線の武将を更迭するし、そいつが無能なら「また更迭すれは良いや」と、当事者意識の全くない無能な腐敗官僚だ。
少なくも、自分と自軍の才能と能力、そして限界を知ってる実務派の武将なら、「自分が更迭されたら国の将来はない」くらい分かってるだろ。