(イージスシステムの)SM-3ブロック2Aはアメリカのみならず、当然日本の海上自衛隊にも配備されます。
先述した通りブロック2Aの性能は従来品の倍近いため、配備することによる三つの利点があります。
まず一つ目は、射程が2000kmもあるためにイージス艦1隻で日本の広い範囲を防護できます。
射程が2000kmということは、イージス艦を中心に半径2000km/直径4000kmの円を描く事ができ、
この円に日本列島がすっぽり収まるわけです。二つ目は、射高が1000kmと高いために、
従来は対応が難しかったわざとミサイルを高く打ち上げて手前に落とすロフテッド弾道に対応出来るように
なります。そして三つ目は、北朝鮮が持つ中距離弾道ミサイル「ムスダン」などが日本を飛び越えて、
ハワイやグアムを攻撃しようとした際に、日本が集団的自衛権を行使してこれを防護出来る能力を備えられます。
元々ブロック2Aはこうした中距離弾道ミサイル(射程3000?5500km程度の弾道ミサイル)を標的に開発された
ミサイルで、日本はこうした弾道ミサイルにも対処できる能力を持つことになります。
 残念ながら、このブロック2Aは全てのイージス艦に搭載できるわけではありません。
これを搭載するためには、イージス艦の能力としてベースライン9C2/BMD5.1というものが必要になります。
ベースラインはパソコンでいう基本ソフト(OS )、BMDはアプリケーションと思って頂ければ結構です。
まりこれより古い型の能力のイージス艦には、ブロック2Aは搭載出来ません。
・・・残念ながら現在BMD任務についているこんごう型イージス艦4隻は、全てこれより古い能力の艦です。
しかし将来日本がもつ27・28DDGという2隻の新型イージス艦と、現在保有しているあたご型イージス艦の
能力改修が完了する2020年代には、日本はこれら4隻のイージス艦がブロック2Aの運用能力を備えることに
なります。そしてブロック2A自体も、2021年度から日本に調達予定です。
https://ameblo.jp/j260434d/entry-12245275491.html