シリア副外相 米などのシリア軍機撃墜を非難

内戦が続くシリアのメクダード副外相がNHKの単独インタビューに答え、
過激派組織IS=イスラミックステートと戦うアメリカ主導の有志連合が
シリア軍の戦闘機を撃墜したことについて「アメリカの目的はISの壊滅ではなく戦争を長引かせることだ」と強く非難しました。

アメリカが主導する有志連合は18日、シリア北部のラッカ近郊でISと戦う友軍の部隊が
シリア軍の戦闘機から攻撃を受けたとしてこの戦闘機を撃墜しました。

これについてシリアのアサド政権のメクダード副外相は19日、首都ダマスカスでNHKの単独インタビューに答え
「アメリカの目的はISの壊滅ではなくシリアを分割し戦争を長引かせることだ」と強く非難しました。
そのうえで、アメリカの行為は内戦の沈静化に向けた取り組みに反し事態を悪化させると警告しました。

一方、国連が仲介する反政府勢力との和平協議についてメクダード副外相は「率直に言って進展していない」と認めたうえで、
国連のデミストラ特使が誠実に取り組んでいないと批判し反政府勢力やこれを支援する国々にもっと圧力をかけるべきだと強調しました。

アサド政権側はロシアなどの支援を受けて内戦で圧倒的に優位に立ち強気の姿勢なのに対し、
欧米などが支援する反政府勢力はまとまりにも欠けており、双方の妥協が求められる政治的な解決の見通しは全くたたない状況です。