自走砲に話を戻しますが、戦車第十四連隊の砲戦車小隊に配備されたホニT、
ホニとしてはかなり古い車輌(というか砲)で昭和17年10月にラングーンで受領したものだそうです。
 兵器No.は362。このNoがどういう法則で付けられているかは識者の分析を待ちたいところですが、
番号が古いほど古い車輌ではあるとしても少なくともチハ車体だけの連番というわけではないようです。
 このホニTは受領時期からみて試作車輌(砲)であるか、最初期生産の26輌(門)のどれかということになりますね。
この26輌(門)も七糎半とする文書と十糎とする文書がありますが。
昭和17年4月21日の兵器局長南方出張に対する調査希望事項で実用成績調査に挙げられた七糎半自走砲の個体そのものかも知れません。

 このホニT、インパール作戦時点では57mm砲装備のチハ1輌と混成で砲戦車小隊を編成していましたが、
昭和20年2月8日の文書でも砲使用不能ながらやはり57mm砲装備チハ3輌、テケ1輌、自動貨車1輌と共に第四中隊保管車輌とされています。
第一中隊が47mm砲装備チハ7輌、ハ号1輌、自動貨車1輌、
第二中隊が47mm砲装備チハ6輌、57mm砲装備チハ1輌、自動貨車1輌、
第三中隊がハ号7輌、自動貨車1輌、
であることを考えると、たった1輌(門)ながら中隊番号が変則的ではありますが
当時の戦車第一〜三師団の戦車連隊同様、砲戦車中隊の装備として扱われているように見えます。