アショアはイージスシステムによるBMDの中枢を担うものにはなり得ない
艦船と地上サイトの長所と欠点は必ずあり、しかし相互に補完し合うことができる
現状の延長線上でアショアを追加すれば安心というのは全く間違い
アショアはイージス艦とは著しく特性の異なる兵器システムだということを認識すべきだし、その事においてイージス艦のような堅牢さを発揮し得るものでもない
しかも2基導入で何とかしようなど、どうかしているとしか言えない

DDG艦隊を本来の武器防護任務に従事させることも必要だし、洋上センサの機能を補完する地上プラットフォームがあれば良いというのもその通り
ならば考えるべきはアショア導入で満足するのではなく、それを補完しうる洋上センサをDDGの他に確保するということだろう
センサ艦はDDGのような指揮機能や高度な対空対水上対潜水艦戦闘能力を必要としないから、相当コンパクトかつ安価にデザインできるはずで、それでもなお
陸地から離れられ自走できるという点でアショアサイトよりも圧倒的に優れた抗堪性が得られる
指揮機能は全BMDシステムに直結する陸海空統合指令部隊に集約するのが望ましいが、それが無かったとしてもアショアの機能でいくらかは実現できる
アショアの美点があるとすればそこだろう

どうしてもアショアのみによってイージスシステムの拡充を図りたいということを考えるなら、あとは人の立ち入ることが難しく守りやすい孤島に設置するしかない
兵站上かなり大きな負荷がかかるが、民間人が一切近づくことのできない海上要塞のような建て付けで設置すれば、脆弱性をセンサ艦で補う必要性も薄れる