>>169
注目は、外周につながっている、「在来石油汽力発電所」の鹿島火力です。
この発電所は、在来型汽力にもかかわらず割合に稼働率が高いのですが、
旧式とはいえ小回りのきく在来石油汽力の特性を生かして、東京電力全体の
需要変動を吸収する役割を果たします。

さらに、外周の送電線には「神流川」「玉原」「葛野川」「今市」「塩原」といった、
起動が早い(その気になれば1000MWを1分で叩き出す!)大規模な揚水発電所がつながっていますから、
発電所や送電線に大規模なトラブルが発生した場合には、
素早く不足分を供給させ、あるいは揚水運転で吸収ことが出来るようになっています。
また、これらの発電所は無効電力の出し入れで送電線全体の電圧調整もできますから、
要所に揚水発電所を配置することで、系統全体の安定性を向上することができます。

今回は東京電力ですが、こうしてみますと「このようにしかならない」という
割とつまんない結論になってきてしまうのですね。
一方お金に余裕があり、また発電所立地に偏りが比較的小さい地勢を持つ東京電力ですから、
ある程度理想に近い送電網を構築できているといえるかもしれません。

次回は悩み深き中部電力篇を・・・(ぇ?