>>506
基本はそうだけど、戦艦の構造や防御の発想からくる脆弱性の度合いには違いがある
戦艦は5度傾くと主砲の揚弾ができなくなり、例え浮いていても無力化するから、特に傾斜への耐性は重要

前後傾斜
all-or-nothingの集中防御では、非防御部分が全部浸水しても浮いていられるだけの予備浮力は確保されている
ただし武蔵に見る通り、前部の非防御部分の浸水で前トリムになって艦首を海面に突っ込んでしまうと、浮いていたとしても速度発揮ができず、航空攻撃に対して単なる標的と化してしまう
最後の戦艦ヴアンガードでは、水線装甲を艦首尾方向に伸ばし、集中防御を若干修正する方向性が見える

左右傾斜
防御部分に浸水した時、機関配置により傾斜しやすさが違う
米新戦艦は復元性能を重視して機関部の縦隔壁を廃し、浸水時の傾斜を防ごうとした
大和型は機関区画が縦4列に区切られており、片側の缶室や機械室に浸水すると傾斜発生を意味した
傾斜修正のため反対舷注水をしても、機関部という大空間への浸水とバランスする注水区画は足りず、結局、反対側で稼働中の缶室に注水し、推進力と予備浮力を自ら削る結果となっている

そのほか、液層防御と空層防御による防御性能や浸水量の違いとか、大和型のアキレス腱と言われた舷側装甲継手の脆弱性のような観点もある