なお牧野氏の日米戦艦比較論が時期的に古い資料なのはその通り
研究者による新資料の発見や海底調査などで新たな事実が発掘されており、新しい本を読んでいかないといけない

ただ、牧野氏は研究者ではなく、大和型建造の当事者であったことは留意が必要
大和の装甲や戦訓については、牧野氏は第三者として新事実を発見する立場ではなく、設計主任という当事者
牧野氏の認識や記憶である比較論が一次資料になるから、時間の経過で価値が減るものではない

攻防走のうち、弩級艦以降は攻走が先行し、ジュットランドで防の不備が露呈すると、集中防御でバランスをとる方向に各国が走った
最後に、ヴァンガードで集中防御を見直す動きがでて、武蔵の前トリムのように、集中防御の結果おおきく残された非防御への浸水が命とりになる実例がでたところで戦艦の時代が終わってしまった

その意味、集中防御や液層防御も到達点ではなく、これが絶対優れているというシステムはあり得ない