人件費高騰というウソ。幸楽苑の「大量閉店」が象徴する日本の病

ラーメンチェーンの「幸楽苑」が52店舗の大量閉店を発表しました。
幸楽苑を大量閉店に追い込んだ原因は、人件費の上昇や原料高「ではない」と考えます。
これは日本全体の問題です。つまり幸楽苑は「もう安くない」のです。

今回の大量閉店は、幸楽苑の低価格帯ですら売上を確保できないことを意味します。
人件費が少々上昇しても、原料費が高くなっても、売上が伴えば問題はないはずです。
これは、日本におけるデフレのゾーンがさらに低価格へと移行した可能性を示しています。

「名代 富士そば」。いわゆる「立ち食いソバ」の業態です。
概ね300円台から400円台で食事ができます。

そして、下北沢の「富士そば」予定地の向かいにはマクドナルド。
つまり、200円から食事ができるわけです。

日高屋は、価格帯は幸楽苑に近いですが、いわゆる野菜たっぷりの定食型の食事が人気です。
500円台から600円台で食事ができるとあって、連日にぎわっています。

成城の「ミスド」は以前、改装して高価格メニューに転換したのですが、
思うように来店客がなかったようです。
それで現在は、以前とほぼ同じ価格帯のメニュー(低価格化)に戻りました。

以前は「ファミレス」がカジュアルだったのですが、デフレが長引くとともに、
ファミレス業態は相対的に「高級化」してきているわけです。
これは「高価格には消費者がまったくついていけない」ということを示しています。

さらに、コンビニのイートイン・コーナーが盛況です。
最近、併設型の店舗が増え、200円から300円ぐらいで食事を済ませる人も多くなっています。

つまり、国民の所得は思うように増えておらず、コンビニで200円から300円ぐらいで
食事をする人が増えているのです。