壊れた移民制度が増やす国境の死者

 移民制度の機能不全によって人命が失われることがあるが、そうした事実を思い出させる悲惨な出来事は時々起こる。先月にはテキサス州で、メキシコや中米から米国を目指した数十人が大型トレーラーに詰め込まれ、10人が死亡する事件があった。
新たなリポートに詳述されている通り、議会はゲストワーカー(出稼ぎ労働者)が合法的に就労できる査証(ビザ)の発行を増やすことで同様の悲劇の再発を防げる。
 米国政策財団(NFAP)の今週のリポートによると、過去20年に「7000人を超える男性・女性・子供が南西部の国境沿いで死亡している」。
今年これまでの死者は200人を超えており、昨年は300人を上回った。今年は検挙された違法入国者1万人につき、7.8人が死亡している。
 死者の数は1999年から2012年の間に約80%増加した。不法移民の数の目安である検挙者は75%超も減っているのにだ。その結果、国境を越える人が「その過程で死亡する確率は18年前の5倍に上る」と同リポートは指摘している。
その一因に、当局の摘発を逃れるためにより危険な地域や南西部の遠隔地をルートに選ぶケースが増えていることがある。
 テキサス州での事故について、後に大統領の首席補佐官に就任した当時の国土安全保障長官ジョン・ケリー氏は、越境請負業者が「全く人命を重んじず、利益だけを追求している」との声明を発表した。
だが業者がもうけるのは、政治家が移民に新たな制限を課した時であり、彼らを破産させるには安全かつ合法的に入出国できる制度を設けることだ。
ロン・ジョンソン議員(共和、ウィスコンシン)が上院に提出した法案によれば、各州はゲストワーカー制度を試すことができる。これがスタート地点になるだろう。

http://jp.wsj.com/articles/SB11456671683917584225004583305052125692958

不法移民が道中で亡くなっても身元確認をしないと事件かも知れないから面倒よねー