「私たちが仕えることができるよう、神々を造ってください。
私たちをエジプトの地から導き出してくれたあのモーセは隠れてしまったからです」
民の力が非常に強かったのでアロンは工夫して言った。
「私のもとに貴方たちの妻の耳飾りを持ってきなさい」
妻たちは金の耳輪へ寛大でないことのために、夫らをなだめるだろうと。
しかし彼女たちはすぐに金の耳輪を外した。
アロンのもとで彼らはそれを火に投げ入れた。
彼らは翌朝早く起き、火を囲み、座って食べて飲み、立って交わり戯れた。
すると見よ、火の中から黄金の子牛が現れ出た。
この時初めてアロンは罪の大きさと取り返しのつかない災厄に思い至った。
「奴隷の暮らしを懐かしみホルスの牡牛に祈る者は、牡牛の奴隷、大地、牧草となるだろう」
という聖書の言葉を彼らはまだ理解していなかったのである。