イスラム強硬派、インドネシアの政治を変える

 強硬派のイスラム教グループは、インドネシアの民主制度を利用してイスラム法(シャリア)に基づく新法を普及させようとしている。慈善・布教活動を通じて住民の支持を集めるというやり方だ。
 こうした勢力の台頭により、穏健なイスラム国家として知られるインドネシアが、中東諸国を連想させる政治色の強いイスラム国家へと徐々に姿を変えつつある。
 近年は強硬派のイスラム防衛戦線(FPI、Islamic Defenders Front)などがイスラム法に基づく400超の法律の導入を後押ししてきた。その中には姦通者への罰則、女性のスカーフ着用義務、女性の夜間外出制限などがある。
 FPIが描く将来像ははっきりしている。「最終目標は(インドネシアを)シャリア国家にすることだ」とFPIの広報担当は述べた。実現すれば、アルコールや婚外性交に関する規則に違反すると、むち打ちの刑に処されることになる。
 FPIが活動の場を全国に広げたのは2000年代半ばで、インドネシア版プレイボーイ誌に対する抗議行動を展開したのが始まりだ。
12年にはレディー・ガガのジャカルタ公演を中止に追い込み、13年にはミス・ワールドの開催地をジャカルタからバリ島(住民はヒンドゥー教徒が中心)に変更させた。
 同じ13年にはFPIのロビー活動が奏功し、最高裁がアルコール類の販売を認める大統領令を無効とし、地方当局がアルコール類の販売を禁止することを認めた。
インドネシアは15年、コンビニエンスストアでのアルコール類の販売を禁じた。それが一因となり、同国でセブンイレブンを運営する企業は今年、全国160店余りの営業停止を決めた。

http://jp.wsj.com/articles/SB11876644817206384535104583399582789867680


インドネシアがイスラム原理主義国家になったらどうなるのっと