自民、地方組織も危機感=「希望」全国展開に【17衆院選】

自民党が衆院選に向けて30日に開いた全国幹事長会議では、
党内の不用意な発言を戒める声や、離党者に対する処分要求などが相次いだ。
民進党を事実上吸収する希望の党が全国に候補者を擁立する方針を示し、
地方組織にも危機感が広がっている。

「この戦いは大変だから高をくくらない方がいい。相手は選挙区の候補ではなく、風だ」。
希望の結党メンバーが多い神奈川の県連幹部は会議後、記者団にこう語り、
希望の勢いに警戒感をあらわにした。

衆院を解散した安倍晋三首相の判断には、党内からも「大義なき解散」と批判的な声が漏れている。
会議では「(首相批判が)中から出てはいけない。現場でやってる連中はたまらない」と注文が付いた。

解散については、東北の県連幹部も取材に対し
「唐突感はある。臨時国会を開いた方が良かった」と疑問を呈した。
ただ、この時期に首相への不満が表面化すれば組織の結束が乱れ、選挙戦に影響しかねない。
会議自体は、首相に矛先を向けるのは避ける雰囲気に包まれ、出席者からは会議後、
「走りだしてしまったから文句を言っても仕方ない」(宮城県連)との声が聞かれた。

一方、神奈川県連は、希望に移った福田峰之前内閣府副大臣を党本部が除名せず、離党届を受理したことを批判。
大阪府連は、今回希望と選挙協力に動く日本維新の会との関係を、首相官邸がこれまで配慮してきたことに関し、
「毅然(きぜん)と対応してもらわないと大阪は戦えない」と維新との決別を求めた。

希望の主戦場の東京で対決する都連には悲壮感も漂い、前衆院議員の一人は
「下手したら東京の選挙区は全滅だ」と語った。

ただ、希望がどれだけの公認候補を擁立するか不透明。
沖縄県連幹部は「どう戦うかまだ分からない。
(会議では)『こう取り組もう』という話にはならなかった」と説明した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017093000567&;g=pol