“人手不足”で休みます…
11月13日 19時04分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171113/k10011221941000.html
カレーにアイスクリームにタピオカ…。これ、「人手不足」が起きているお店のことなんです。
私たちの身近なところにまで広がりを見せる「人手不足」。臨時休業も相次ぎ、ネット上には「嘆き」の声が投稿されています。
先週末には、低価格のラーメンチェーン「幸楽苑」を運営する会社が人手不足で
人件費が上昇し採算が悪化しているとして、全体のおよそ1割に当たる50店舗余りを
今年度中に閉鎖すると発表しました。何が起きているのか、調べてみました。

記者は、ツイッターの投稿を頼りに、アイスクリームチェーンの関東地方のある店舗を訪ねました。訪ねたのは10日の夜。
シャッターには「都合により13時開店とさせていただきます」という張り紙が。
運営会社に取材したところ、この店舗では数か月前からアルバイトやパートの「人手不足」のため、
臨時休業や営業時間の短縮が続いているということでした。

そもそも、なぜ人手不足が起きるのか。
専門家は少子高齢化と景気回復を挙げます。大和総研の長内智シニアエコノミストは「少子高齢化で
働く世代が減っているのに対し、景気回復で経済活動が活発になっている」と指摘。
モノやサービスの提供を受けるお年寄りが増えていても働く世代は少ない。人手が足りないのは必然の流れとなっています。
企業がアルバイトやパートを募集する際の時給は今、過去最高水準となっています。
求人情報会社の調査では、首都圏と関西、それに東海の3大都市圏の平均は過去3年間、ほぼ右肩上がり。
ことし8月には1014円と、調査開始以来、最高を記録したほか、直近の9月も1013円でした。

その一方で相次いでいるのが企業の倒産です。民間の信用調査会社 東京商工リサーチによると、
先月、人件費の高騰や求人難など「人手不足」が理由となって倒産した企業の数は39件と、この4年間で最も多くなりました。
この「求人難」による倒産件数は、ことし1月から10月までを見ると合わせて31件。
去年の同じ時期の2.2倍にまで増加しています。
「今後、人手不足が深刻化した場合、人材難による倒産がさらに増えるおそれがある。」と話していました。