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『先輩、あの人が』
『おい名前出すなよ。』
『すみません。でも聞いてた話と全然違うんですけど。普通の人に見えますし、大邸宅かと思ったら木造モルタル2階建てだし。』
『趣味らしい。』
『趣味って・・・敵が多いんでしょ?トラックでも突っ込ませたら一発じゃないですか。』
『先月も突っ込んだよ。』
『・・・?どこも壊れてないですよ?』
『翌日には直ってたからな。』
『いや無理でしょ?工事とか廃材とかどうなったんですか?』
『知らん間に終わったから判らん。』
『監視してた人たち居たんでしょ?』
『全員が知らん間に自宅のベッドで寝ていた。俺も含めてだ。』
『トラックとか突っ込んだ奴とかは?』
『消えた。』
『は?』
『だから消えた。そいつの生前の写真と死体の写真がうちに送られてきて、そいつの痕跡がその2枚の写真以外この地上からきれいさっぱり消えた。』

これぐらい。