>>653
> 距離だけの理由なら空母だけでなくイージス艦などの随伴艦艇も原子力にしないと意味ないだろう。原子力にする理由は他にあるのでは?

だから随伴艦艇も核動力にするのを本気でやりかけたじゃないか、アメリカ海軍は
エンタープライズの就役と前後してロングビーチなどの原子力巡洋艦・駆逐艦を建造してTF-1を編成して世界一周させてみたり
その後もニミッツ級空母に随伴させるためにカリフォルニア級などの原子力巡洋艦を本気で量産しかけただろう
まあさすがに余りにも金がかかり過ぎるってことでアメリカ海軍も空母任務部隊の完全原子力化プランは放棄せざるを得なかったわけだが

他の理由として原子力は確かに電力の面でも有利だし自艦用燃料が不要なので航空燃料の搭載量を大きくできるという大きな利点がある
航空燃料の搭載量を増やせればリスクが決して小さいとは言えない洋上給油の回数を大きく減らせるからね

洋上給油作業は今やルーティーンになってるとはいえ、実際の戦闘下では後方海域に退避してから行わねばならないからその時間が無駄になる
また後方海域に退避して行っても洋上給油中は定速直線航海となるので敵からすれば狙いどころとなり攻撃を受けるリスクが無視できない
(特に敵が潜水艦を持っている場合)

仮にの話だが、大戦時の帝国海軍並みに同時期の対アメリカ海軍比で高い戦闘力(航空打撃力や潜水艦隊の能力)を持った海軍相手に
現代のアメリカ空母が戦わねばならないとしたら洋上給油はそうやすやすとは行えなくなり補給毎に安全な泊地や母港に帰投するというスタイルを強制されることになるだろう
だから原子力空母は戦域に留まって戦闘参加の期間を長くできるという大きな長所があるのは事実だ

なお、原子力だと蒸気が使い放題だから蒸気カタパルトの射出レートを上げられるから有利というのは間違いというか単なる結果論に過ぎない
最初の原子力空母エンタープライズCVAN-65が建造される際には「原子炉で発生する蒸気は従来の重油ボイラーのよりも温度が低いから蒸気カタパルトに支障が出るかも」と本気で心配されていたのだから
結果的には大きな問題もなく原子炉の蒸気は蒸気カタパルトで使えたから、その後にニミッツ級が量産されることになったわけだが