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(続き)

 総事業費30億ユーロの新型フリゲート艦計画の失敗はとりわけ衝撃的だ。欧州最大の輸出国であるドイツは、
開かれた安全な海上輸送路に依存している。

 新型フリゲート艦計画では、戦後最大級の軍艦4隻に最先端ソフトウエアを搭載し、最小限の要員で高い操作性が
可能になるはずだった。

 だが、先月の海上試運転が失敗したことを受け、ドイツ海軍はこの軍艦の就役を拒否した。少ない乗組員による航行を
可能にする搭載コンピューターシステムが試験で不合格になったためだ。バルト海に面した艦隊の母港キールの地元紙は、
レーダーや電子機器、燃料タンクの防炎コーティングに問題があると報じた。建造計画の広報担当者によると、船体が右に
傾いているという問題は修正されたという。海軍は、問題のフリゲート艦は来週港に戻り「長期間」留め置かれる予定だと述べた。

 このプロジェクトを率いる製鉄・工業製品大手ティッセンクルップの広報担当者は、同艦を年内に引き渡す計画に変更
はないが、遅れる可能性も排除できないと述べた。

 たとえ同艦が修理できたとしても、対艦ミサイルを持つテロリスト集団に対して十分に自衛できるのかと懸念する海軍専門家
もいる。また同艦には従来型のようなソナーや魚雷発射管がなく、バルト海で海軍力を増強するロシアの潜水艦にとって格好の
標的になり得るという。
(続く)