弾道ミサイル迎撃「イージス・アショア」日本配備へ 製造のロッキード・マーティン社担当副社長に聞く(前編)

 −イージス本体についてはどうでしょう

 「レーダーやミサイル発射装置の設計については当初から全く変更をしていないので、そこは問題はない」

  −日本に設置するにあたっての課題は

 「日本の建設会社や関連団体は(設計の)詳細部分までこだわって対応していただける質の高さがある。防衛省や日本の産業界と協力することによって、インフラの部分は問題にならないと考えています」

 −なぜ米本土や日本よりも先に東欧でイージス・アショアが配備されているのかが、日本ではあまり知られていません。また欧州のイージス・アショアを中心とした欧州ミサイル防衛構想(EPAA)と、日本が進めるミサイル防衛との相違点はどういったものでしょう

 「まず類似点としては、双方ともBMD(弾道ミサイル防衛)能力を持っていることだと思います。
ただ、日本の(予定している)システムについては、空の防衛、つまり(爆撃機などに対する)防空能力を持っているという点が違います。日本は対空とミサイル防衛の統合型のシステムとなっている。

 一方、欧州のEPAAは、元々は欧州方面でイランの(核・ミサイル開発の)脅威に対応するために作られた計画になっています。
運用においてもアメリカの基地においてアメリカの軍人がシステムを管理する仕組みで、ホスト国(基地の配備国)は基地周辺のセキュリティーを担当する形となっている。もちろんシステム自体は北大西洋条約機構(NATO)と連接しています」

 「一方、日本の(イージス・アショアの)システムは、日本の領域、領土のなかで陸上自衛隊が運営する防衛システムとなります。米軍が管理するものではなく、日本の国家のシステムとして運営されるところが大きな違いかと思います」 

http://www.sankei.com/smp/west/news/180213/wst1802130003-s1.html