なので、この600万トンで足りる論を無知無能というのは早計で、
国策や国防方針が広く一般化されない限り前提条件を変えられないという話である。
その意味で、大井篤の海上護衛戦の冒頭にある雑談シーンは
「(事変拡大してきている)今でもなんとかやりくりできているのだから、
 (開戦初頭の大規模動員を耐えれば)何とかなるだろう 」
という、前提条件が揃えられないから目見当も出せないという当時の雰囲気、
一般的な感覚を示唆したという意味では秀逸な表現であると読むべきところだろう。