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◇しぼむ改憲機運
支持率急落は首相の求心力低下につながり、改憲論議の行方にも影を落としている。
首相は2020年の改正憲法施行を目指す構えを崩していないが、
文書改ざんへの世論の厳しい視線を意識する与党内では、年内の改憲発議に向けて党内論議を急ぐ機運が急速にしぼみつつある。

自民党の石破茂元幹事長は14日、「党への信頼を回復する方が(改憲より)先だ」と記者団に強調した。
15日の党憲法改正推進本部の全体会合では、石破氏に同調する形で憲法9条改正の条文案を執行部に一任する提案に異論が出たため、
執行部は意見集約を先送りせざるを得なかった。

冷ややかな空気は公明党にも波及しており、同党の北側一雄中央幹事会長は15日の記者会見で、
「改憲原案が出てくるのはまだだいぶ先の話だ」と党内論議を急がない考えを表明。
中堅議員は「改憲はもう無理だ」と漏らした。

現状では、「早ければ今国会での改憲発議」という政権の想定は吹き飛んでいる状況で、
政府関係者も「改憲どころではない」と認める。