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少し説明させてもらうと普通のロケットエンジンは少量の燃料と大量の酸化剤という推進薬の構成で飛ぶ
燃料が少ししか載せられないからすぐにエンジンが止まってしまう、大抵10秒ぐらいで、あとは確かに惰性

ところが例えばASM-3の場合はラムジェット燃焼器内にブースター用の推進薬を詰め空気圧縮機を不要にし
ミサイル周囲の空気を取り込んで酸化剤の代わりにすることで燃料を多く積むと同時に小型化も実現
着弾まで長時間の安定した超音速のスピードを維持して飛び続けることができるというメリットがあるミサイル
一般的なミサイルは飛ぶほどに速度が落ちるけど、着弾までエンジンが動き続けてそうならないのが特長
紙飛行機とラジコンみたいな差がありミサイルというよりも無人の神風特攻機に近い

だから発射してエンジンがすぐに止まるというのはラムジェットミサイルの作動原理的に絶対にありえない
エンジンを始動させるために初期加速したんであって、この初期加速中はエンジンはまだ動いてないんだから
ASM-3なら200km先の標的に当たるまでだいたい1分50秒ぐらいエンジンが動き続けて敵艦に命中って感じ
これはAAMであるミーティアのダクテッド方式(これもラムジェット)でも同じで燃費はこっちのほうがより良い

このあたりのラムジェットの原理は日本語だと紹介してるサイトが少ないんで勘違いしてる人が多いようだけど、
イギリスの軍事まとめサイトなどで詳しく書いてあるからググッて英語を翻訳してサラっと読んでみるといいかと
ブースタフェーズとかトランジェントフェーズとかラムジェットフェーズとか色々と出てくるんで

そしてラムジェットの最新型として先月31日に日本の概算要求で開発が発表されたのがスクラムジェット
6年前に三重がジェット燃料をエンジン熱で改質しメタンを作り、このメタンを燃焼させ飛ぶという特許を取ってるんで
ジェット燃料が使えミーティア(JNAAM)より燃費が良く更に射程が期待できる長AAM用エンジンの開発が始まったと
エンジン冷却に有利な水素燃料をあえて使わず常温で使えるジェット燃料にし熱交換もでき合理的、なかなか凄そうだね