>>572
> 想定外をシミュレーションで再現する事は不可能って事ぐらい理解しろよ、対応したステータスやデータが用意さ
> れてないんだから

正にこれなんだよな
航空機の空力設計ではCFD(計算流体力学)によるシミュレーションを徹底的に活用するのは当たり前
それには翼下パイロンやベイからの兵装投下の気流の膨大なシミュレーションももちろん含まれる
だが、そのシミュレーションが確実に正しい保証など何もない
だから試作機が完成したら試験飛行の中で様々な飛行条件(3軸各々についての速度や角速度、加速度などや高度、飛行姿勢などの組み合わせ)で試験飛行して
実機の挙動を確認しまた様々な兵装の投下での振る舞いも確認する必要がある

その結果として、CFDに限らず機体の強度設計など全ての面でシミュレーション技術が発達したにも関わらず
試作機による飛行試験期間は昔の戦闘機よりもずっと延びてしまっている
これは実機による飛行試験で確認せねばならない飛行条件の組み合わせの数が、戦闘機の飛行エンベロープが拡大するに応じて急激に増加したからだ

シミュレーション万能厨の主張がならば、新しい時代の戦闘機ほど開発期間は減らせるはずだ
それは設計段階でも時間のかかる風洞実験や模型フレームによる強度実験の代わりにコンピュータによるCFDや構造強度のシミュレーションで置き換えて短縮できるし
試作機の試験飛行もほとんど不要になるはずだからだ

だが現実には逆だ
新しい戦闘機ほど設計期間も試験飛行期間も長くなってきた傾向がある

今の戦闘機開発がおしなべて非常な長期化しているのを見ていると、いくら要素技術は既に準備されていたとはいえ、
当時の最新鋭技術をてんこ盛りした高性能戦闘機が、政治の場で開発開始が決定されてから僅か2年に満たぬ期間で試作機が飛んだ
F-14トムキャットの超短期間開発の話は、奇跡を通り越して嘘ではないかとさえ思えてくる