昨夜他所でも書きましたが15inVH甲鈑の英国試験について、
見失っていた文書を再発見したので取り急ぎご報告まで。

以下※部分は私のコメントです。


ADM281/32
成分
C0.48、Si0.17、S0.036、P0.021、Mn0.36、Ni3.88、Cr1.86、Va−、Mo0.04
※ADM281/126では簡単な検査であるとして以下の数値を挙げている。(とは言えAD281/32がより本格的試験のようです)
C0.53、Ni4.0、Cr1.99、Cu0.15、Mo<0.03
※日本側の規格ではMoは−となっているが、英国の分析では僅かに含まれています。
※米国試験でもVHには同様にMoが含まれていますが、同じ成分の筈のNVNCからは検出されたものとされなかったものがあります。


表面硬度575ブリネル
硬化層の厚みは27.3%(300ブリネル以上)
※ADM281/126では硬化層約30%との記述あり。文書の内容から見てADM281/32の方がより詳細です。


機械的性質
降伏点 縦34.0/横35.0(長t/平方in) 
※53.5/55.1(kg/平方mm)
引張強さ 48.0/47.0(長t/平方in)
※75.6/74.0(kg/平方mm)
伸び 27.5%/27.5%
絞り 63.7%/61.5%
※日本側規格や米国試験値と比較して、引張強さはほぼ同じものの降伏点、伸び、絞りともかなり上回っています。
日本側規格は180mm以上の鈑厚で降伏点40kg/平方mm、引張強さ75±10kg/平方mm、伸び>20%、絞り>40%