>>399
> アフターバーナーは、まぁできるでしょう。

まあ私もそう願っているけれど油断は禁物だよ

あの戦闘機用エンジンの巨人P&W社でさえF-111やF-14Aの宿痾となったTF30のA/Bには手こずり
その問題は後継エンジンのF100に至っても完全には解決されないままで実用化せざるを得なくなり
F-15パイロットに対して、「エンジントラブルに見舞われたくなければ空戦機動中でもA/B点火は慎重かつ注意深く行え」と
強制する事態となったのだからね

超音速戦闘機用の低バイパス比ターボファンのA/Bは点火時に発生する衝撃波がバイパスエアを逆流してファン部に戻り
ファンストールやコンプレッサーストールを惹き起こしかねないという技術的にとてもデリケートな問題を抱えているので
「A/Bなんて可動部もロクにないんだから高度なコアをちゃんと作れる企業ならA/Bごときは出来て当然」とは言い切れないのが辛い

純ジェットならともかく低比率でもバイパスのあるターボファンのA/Bはそれ固有の難しさがあり、
その難しさとは巨人P&W社ですら解決まで二十年近く(恐らくF100後期型で漸く完全解決)要するほどの難題だということだ

ただXF9開発担当のIHIの場合、その問題児F100-PWもそういう問題をクリアしたF110-GEも共にライセンス生産して
上の2パラグラフの問題と解決方法など既に熟知しているだろうという点がXF9をF9に完成させる上で非常に大きい

こう考えると、大パワーだが問題も少なくなかったF100をライセンス生産した後に、
F-2搭載用として素性の良いF110エンジンをライセンス生産できたというIHIに任された仕事の流れは
IHIという一企業だけでなく日本のエンジン技術いや戦闘機開発にとって想像以上に重要で有益なことだったと
将来に日本の戦闘機開発史が書かれる時に指摘されるかも知れないね