宇宙戦闘機のキャノピーや宇宙戦艦の外窓部分の透明部品は硬化テクタイトと言われる金属粒子で強化されたガラス類似物質であり、
20世紀末頃の特殊鋼を軽く超える強度を持っているとはいえ、西暦22〜23世紀の装甲材部分に比較すれば虚弱でしょう。
その欠点をおしても使用されているのは、宇宙戦ドックからの出港時や母艦からの発進時など周囲の状況把握の際にやはり便利だからであります。
20世紀末頃のジェット戦闘機も視認距離外からのミサイル攻撃を想定しつつもガラス製キャノピーを維持していたことと同じ理由です。
キャノピーへの仮想画像表示技術でも代用できそうなものではありますが、
目視できる至近距離は仮想画像より人間のアイボールセンサーの本能的な感覚が重視されていることがわかります。
勿論目視無用論も一時は有力な勢力だったのですが、暗黒星団帝国による地球侵攻戦役においてセンサー依存でコントロールされた無人艦隊の戦績から無用論は影を潜めつつあります。


次に艦艇のサイズです。
地球上のアマチュアの方がしばしば誤解されていますが、
実は艦艇などのサイズについても主に宇宙で使用されるものについては宇宙m法という新単位に基づいて定められています。
地球上の物については旧来のメートル法も引き続き使用されているためにこれがしばしば混同されるようです。
当初は意識して隠蔽したわけでは無かったとも言われていますが、
兵器のスペックを勝手に誤解してくれるのなら諜報面での利益こそあれ不利益は無いため当局としては別段誤解を解く努力をしない方針のようです。

私も当局の一員としてあまり詳しく解説することに躊躇を覚えるのですが、
宇宙m法に基づいて表記される艦艇サイズは実際には宇宙mm(ミリメートル)のミリを略して表記されることが多いようです。(宇宙キロでしばしば万が略されることを思い出してください)
1宇宙mmは地球上の旧来のm法に換算すると大体2.1mになる筈です。