◆サイバーパンク少女マンガ◆

「アアー、遅刻遅刻ー」 合成BLT(バイセクシャル・レズビアン・トランスジェンダー)サンドイッチを淫らに口にしながら通学路を走る少女。
ローファーの下では違法改造された電動キックボードが甲高い駆動音を立て、灰色のコンクリートにまた一つ不協和音を加えていた。
ホルスタニア市ポリエチレン区。ヤクザも近寄らぬ、仏法の絶えて久しい暗黒無法タウンでは少女が春を売り、少年は臓器を売る。

「アイエエエ!?」 ブッダファック! ブラインドコーナー通過直後の正面衝突だ!
ほんの一秒前まではどこにでもいるケミカル過剰投与学生も、今はネギトロとなって地面に散っている。
そしてどこからか湧き出したスラム住人に混じり、少女もまた飛び散ったネギトロの中から、仮想通貨素子やオハギなどのトレジャーを物色していた。
灰色のメガロシティに咲く灰色の死。それがこの街の日常である。

「オハギ、落ちてたよ」「あっ…」 出会いは突然だった。
モノクロのページが突如フルカラーに化したようなドラマチック重点。
灰色のシティは今や鮮やかに彩られていた。