自衛隊における機動防御とは、防御区域内前方に陣地防御部隊を配備し、その間隙を突破してきた敵に対して予備隊が襲いかかり、陣地防御部隊後方に侵入した敵を撃破することで防御の目的(敵の攻撃の破砕による地域の確保)を達成しようとする戦術です。
(「平成18年6月 図上戦術 原則図示」「昭和45年5月 国土地形における機動防御の実行の可能性と問題点」等より)
このうち「予備隊が襲い掛かること」を『逆襲』としており、機動打撃はただ単に逆襲の名称を変更しただけのものとしています。



>まず陸自は防御の目的を地域の防衛ではなく、敵の撃破と考えています(旧軍からの伝統)
>そして土地の確保に重きを置くのは実は防御ではなく、旧軍用語でいう所の持久という事になります。
自衛隊において防御の目的とは「敵の攻撃を破砕して地域を確保する」であり、

防御の編成手順としては最終的に確保すべき要域をまず決定(防御の核心)

それを確保するために必要な陣地配備・戦い方を防御の核心から敵方に伸びる地形縦深を考えながら決定

決定に基づき陣地や部隊を重畳に配置していく

という手順をとっています。
これはすくなくとも昭和39年から現在までとられている防御編成の手法であり、このような形になったのは米軍の「縦深防御」「FEBA方式の防御」を採用した結果で、米軍の防御についてもまず最終的に何処を確保するべきかが議論されます。

一方で遅滞行動の目的は「時間を稼ぐこと」であり、基本的には陣地防御部隊が陣地構築する時間を稼ぐために警戒部隊(掩護部隊)等が行う戦術です(図上戦術等より)。