希望か、ディストピアの始まりか モラルを向上させる「道徳ピル」
http://news.livedoor.com/article/detail/15106316/



本当に、服用者が〈道徳〉的になった
「道徳ピル」は、いまやSF小説の中の出来事では決してない。いくつかの実験によって、実際にその効果が確認されている。
たとえば、ゲーテ大学の経済学者Michael Kosfeldらの研究グループは、2005年に神経ペプチドである「オキシトシン」は、闘争欲や恐怖心を鎮め、
他者との親和的で協力的な行動を促進する作用があるという研究結果を報告している。

この研究結果は、スイスのチューリッヒで、健康な男子大学生58人を対象に行われた実験から得られたものだ。

この実験では、半数の29名が資産を持つ「投資家」、残りの29名が資産を運用する「信託者」の役割に分かれる。
投資家は二つのグループに分けられ、一方のグループには本物のオキシトシンを、他方の資産家グループには偽物を、それぞれ鼻から吸引させた。

その結果、本物のオキシトシンを吸引した投資家のグループだけが、なんと全額に近い資産を信託者に委ねたのだ。
このことから、オキシトシンは不安を抑制するように作用し、そのことによって他者への愛着や信頼感を増加させる効果があると結論されたのである。