>>721
これを機に漢語も勉強したまえ(たまへ)


「ならしめる(ならしむる)」の意味と使い方
「ならしめる」は、「たらしめる」の「たら」が「なり(也)」の未然形「なら」に変わった表現です。
「なり」「なら」はほぼ同じ意味で、体言(主語)の後に付いて対象物を断定し、「その状態にあること」を示します。
この2つを使い分ける際のポイントは、用言(述語)の後に付いて形容動詞になった場合に語尾を「なり・たり」と切り替えることです。以下で例を挙げてみます。

「静かなり(静かに)」「愚かなり(愚かだ)」のように、語幹の後に「に・だ」を付けても通じる用言は、後に「なり」が続く「ナリ活用」です。和語に多く見られます。
同じく「タリ活用」には後に「と」を付けて意味が通じる「堂々たり(堂々と)」「悠々たり(悠々と)」などがあり、こちらは漢語が多いのが特徴です。

「可能ならしめる」の意味と使い方
「可能・ならしめる」は「可能にさせる」という意味で、「彼の勤勉さがすぐれた業績を可能ならしめ、今の名声を確固不動たらしめた」のように使います。
また、「ならしめる」は「強制的にさせる」という意味合いで使用されることもあるようなので、「可能となるように仕向ける」と解釈することもできます。

後者は「為る(なる・なさる)」から発展した用法と思われますが、強制でなければ「可能たらしめる」と変化するのかは不明です。
外からの働きかけで「そのようにならせる」という場合、少なくとも戦時中まで読まれていた「教育勅語」では、使役の助動詞「す」の未然形に「しむ」が付いた「〜せしめる(せしむる)」が使われていました。今も「見せしめ(る)」などが残っています。

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