>>895
「シンゾー、いつまで無駄なことをやるつもりなんだ。あれ(敵国条項)が変わることはない。」
豊かな白髪の日本人からすると大柄な老人が言った。
「ドナルド……。」
大統領選挙当選前につなぎをつけ、当選後に会談したときから日本国首相はトランプ(遊戯用カード)と、呼ぶことはなかった。この老人に敬意を持っているからだ。
「君の計画と合衆国の利益は合致すると考える。……私個人は。」
「皆を納得される材料を提供しろと。」
「日本国はどこまでやる気なのか。それを見せて欲しい。」
……会談後。
「大統領。」大統領主席補佐官が傍に来た。
「21世紀のロッドロウ・ウィルソンになるのも悪くない。そう思わないか」
合衆国は北太平洋というドル箱を確保したうえで、過去のしがらみと共産主義者に汚染された国際連合を捨てることができる。
「我々は何も失わん。」