日米首脳会談で日本が得た「見た目以上に大きな成果」の中身
米中の狭間で漁夫の利を得る可能性
橋 洋一
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57761
結局、今回の日米協議では「日米二国間自由貿易の枠組み」が打ち出された。
しかも、保険や医療などのサービスなどを含んだFTAや、さらに資本取引も含む包括的なEPA(経済連携協定)ではなく、
サービスは含まず、物品に限定したTAG、ということになった。
これは、日本にとっては大きな成果だ。TPPはEPAの一種であり、対象が広い。
アメリカ抜きのTPPでは先進国の日本は相対的に参加国の中のトップとなるので、日本のメリットは大きい。
しかし、日米両国間の協定では、日本に必ずしも有利とはならない。
そこで、日米では、アメリカに有利となる「サービス」を対象としないTAGにした。
しかも、関税でもTPP交渉のときに日本も認めた範囲内に収まっている。
さらに、日米の交渉中は自動車関税を上げないという「おまけ」までついてきた。
農産物関税はTPPでも交渉をしていた「範囲内」なので、それが日本経済に与える影響については、日本側は既に準備済みだ。
この一連の「取引」について、日本のマスコミ報道では「日本はこれで大丈夫なのか」というトーンのものが多い。
しかし、筆者の正直な感想としては「これで、アメリカがよく納得したなあ」というものだ。
それぐらい、アメリカが日本に譲歩した中身だと言える。おそらく、安倍ートランプの人間関係が影響したか、
日本のそれまでの準備がよかったために生まれた成果であろう。


安倍は有能なのでは?