https://special.sankei.com/a/politics/article/20181126/0002.html

政府は防衛費について、北大西洋条約機構(NATO)の算定基準を導入し、平成35年度までに対GDP(国内総生産)比1.3%に増額する検討に入った。装備調達の純増分などに加え、これまで防衛費に組み込んでこなかった関連経費を合算して実現する。
また、F35B最新鋭ステルス戦闘機と多用途運用母艦を導入する方針も固めた。年末に策定する新たな「防衛計画の大綱」に明記する。複数の政府関係者が25日、明らかにした。

 日本の防衛費は対GDP比0.9%だが、国連平和維持活動(PKO)の分担金や旧軍人遺族らの恩給費などは含んでいない。NATO基準ではこれらも防衛支出と位置づけており、日本はNATO基準に換算すると既にGDP比1.15%になる。
これに従来の防衛費の増額分を加算することでGDP比1.3%とする。

平成31〜35年度の「中期防衛力整備計画」の期間中に到達する見通し。今後は従来の防衛省予算と国際社会に示すNATO基準の防衛費を併用する方針だ。

 一方、新たな防衛大綱には「艦艇からの航空機の運用の検討」も明記する。海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を空母化改修する多用途運用母艦と短距離滑走で離陸と垂直着陸ができるF35Bの導入を念頭に置く。
中国が軍事圧力を強める南西諸島防衛や大規模災害時の拠点機能の役割を担う。

 安倍晋三首相は防衛力整備について「国民を守るために真に必要な防衛力を見定めていく必要がある」と強調。
麻生太郎副総理兼財務相も「防衛費は増やしていかざるを得ない」との考えを示している。

つづく