https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2468V0U2A121C2000000/
> 日米両政府は中国やロシアが配備したとされる極超音速滑空兵器(HGV)を迎撃する新たなミサイルの技術の共同研究を検討する。地上に向け突入し始める前の遠方を滑空する段階で迎え撃てるようにする。既存の防衛網で対処できない高度を飛ぶHGVの迎撃手段を持ち、抑止力を高める。



防衛省は2023年度から迎撃弾の大型ロケットモーターなどの設計に乗り出す。高速で長い距離を飛んだり、敵のHGVの軌道の変化に対応して旋回したりする能力などが要る。必要な要素技術を米国と共同研究するよう協力範囲を探る。

HGVは弾道ミサイルなどで打ち上げた後に弾頭部が分離し、グライダーのように滑空する。大気圏外を放物線を描いて飛ぶ弾道ミサイルと異なり、大気圏内を音速の5倍以上で飛行する。目標に近づくと急角度で落下する。

低空を移動するだけでなく、縦・横双方に方向を変えながら飛翔(ひしょう)するため探知や迎撃が難しい。既存のミサイル防衛システムを突破する技術になる。

ロシアはHGVを配備し、中国もHGV搭載可能な弾道ミサイル「東風(DF)17」の運用を開始したとされる。