兵頭先生のブログから

2018年12月24日 09:10
ストラテジーペイジの2018-12-23記事。

10月のハリケーン襲来ではフロリダのティンダル空軍基地が焦った。
55機のF-22のうち、17機は疎開のための離陸ができず、格納庫内に入れておくしかなかった。
ハリケーンはその格納庫にかなりのダメージを与えた。
さいわい、17機の傷はわずかで、数週間後には全機、飛べるようになった。

F-22は増槽を吊るした状態で3000kmレンジあり。
コンバット・ラディアスは760kmである。

1時間飛ばすのに必要なメンテナンス費用は、7万ドルである。
ちなみにF-16ならその三分の一のメンテナンス費用しかかからない。

空軍は戦闘機の即応稼働率目標を最低でも70%と示達しているが、F-22は60%だ。
F-22は、2017には一時、稼働率49%にまで低下したが、2018前半に、60%まで戻した。
もし60%を維持し続けたとしても、F-22パイロットの全員が必要な訓練飛行時間は捻出ができない計算なので、これは危機的である。

F-22は、専用の空調ハンガーの中でないと、そのコーティングを10年もたせることができないのだ。
そして、このコーティングの塗りなおし作業は、1機につき、1ヵ年を必要とする。

米空軍は162機のF-22について10824個のアップグレードキットを2020年代前半まてにとりつける計画(RAMMP)。この総費用は20億ドルに近い。
F-22の胴体を強化しようというアップグレードも計画されている。これは別に3億ドルがかかる。

1機のF-16を1時間飛行させるための整備に必要なマン・アワーは、19である。それに対してF-22は、34マン・アワーが必要。
B-2のオペレーティングコストがB-52の倍以上であるのも、電波吸収材コーティングが主因である。
B-2のコーティング剤は、F-22のコーティング剤とは種類が違う。だが、F-35とは類似する。

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X-2はステルス塗装ではなく、表面材質をCMC(SiCとセラミックの複合繊維)にすることでステルス塗料が不要になった