>>197の続き
上海の高級な日本料理は、ここ数年、びっくりするほど値段が高くなっているので、「本物はやはり高いのだ」と彼らは認識している。
だから、本場の日本に行って同じような高級日本料理を食べるならば、上海よりももっと食材はいいはずだし、もっと高いはずだろう、
と思っている。
(中略)
● どんな有名店でも 値段が安いと自慢できない
2018年に上海にオープンした和食『くろぎ(黒木)上海』は地元の富裕層の間で大人気だが、夜のコース料金は日本円に換算して
7万〜10万円ほどもするという。 また、別の高級すし店などでは、1人あたり10万円を超えることもざらにあるそうだ。

ほかにも、日本料理に限らず、上海では富裕層向けの高級料理店が増えている。
そうした料理店の相場から考えて「本場の日本で食べたら、きっと高いんだろう」と想像しているというのだ(本来、上海で食べる
高級日本料理は、食材を日本から空輸しているので、日本よりも割高だと感じるのが自然だと思うのだが、なぜか、そういう
ふうには考えないらしい)。

むろん、何度も来日している中国人観光客は「日本の飲食店はどこに行ってもクオリティーの割に値段が安い。
日本の飲食費は大体これくらいの値段が相場なのだが、それでもサービスがいいし、日本の飲食店では安心して食べられる」
と状況をよく理解している人もいるが、日本の事情や日本料理に関して、造詣が深くない人もいる。
だからこそ、富裕層から「そんなに低価格でいい料理が提供できるのはおかしいじゃないか!」というとんでもない不満が飛び出して
きてしまうというわけだ。

まさか、そんなふうに思っている人がいるとは驚きだが、その背景には、今の富裕層にとって、値段の高さだけが物事の価値を決める
判断基準になってしまっているという側面がある。
富裕層は海外でよくミシュランの星つきレストランに行くが、それも「世界的なお墨付きがある」という他人による評価からくる安心感と、
友人にSNSで「自分はこんなに有名な店(かつ、値段が高い店)に行けるほどの(立派な)人間なんだぞ」と自慢できるからだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190116-00190842-diamond-cn&;p=3