新種の人類か フィリピンの洞窟から化石 (NHK 4/11)

フィリピンにある洞窟から小型の人類の化石が見つかり、歯の形などの特徴がこれまでに見つかっているほかの人類とは異なることから、
研究グループは、およそ5万年前に姿を消した新種の人類だとしています。

フランスの国立自然史博物館やフィリピン大学などの研究チームは、フィリピン北部のルソン島にある「カラオ洞窟」で行った発掘調査の結果を、
10日、イギリスの科学雑誌、「ネイチャー」に発表しました。

それによりますと、洞窟の石灰岩の地層からは、2007年以降、人類の物と見られる歯や足の指の骨、それに太ももの部分とみられる骨の
化石が見つかっていて、分析の結果、身長1mほどの人類のものであることが分かりました。

そして、特徴を調べると、足の指の骨は300万年ほど前にアフリカに生息していた初期の人類「アウストラロピテクス」と同じように曲がり、
木登りしやすいようになっている一方で、歯の根の部分の形が、現在の人類「ホモ・サピエンス」を含めたこれまでに知られているすべての
人類と異なっているということです。
このため研究グループは、見つかった化石を新種の人類だとして、「ホモ・ルゾネンシス」=ルソン島の人と名付けました。

年代測定の結果、およそ5万年前に姿を消した小型の人類だとみられるということで、研究グループは人類の進化を考えるうえで重要な発見
だとしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190411/k10011880221000.html

現生人類とは別口のルートで東南アジアに渡り、狭い島に取り残され小型した原人と言えばインドネシアのフローレス原人が有名でしたが、
あれは未だに単なる奇形に過ぎないという説も出ていて種として確定していない状況でした。

しかし今回フィリピンからも同種の小型原人の化石が見つかった事で、ほぼ実在が確定したと見るべきでしょう。