「●風呂
 入浴の回数も階級によって決まっていました。下士官以上は毎日、水兵長は週4回、上等水兵は週3回、一等水兵は週2回。

 入浴時は入口で10円玉くらいの入浴券3枚と紙1枚を受け取ります。紙には陰部を消毒するための消毒液を浸けてもらいます。風呂場には2つの浴槽があり、手前に海水の湯が、奥に真水の湯が張ってありました。
 入浴券1枚で洗面器1杯の水がもらえるので、

洗面器3杯の水で全身を洗う

ことになります。ずいぶんと少なく思えますが、海軍では新兵教育から

水を大切にする

よう教えられるので、これだけでも十分なんだそうです。


 入浴は時期によってほとんどできないこともあり

ます。
この状況で全員が楽しみにしていたのがスコールでした。
当直の士官が8倍双眼鏡を片手にスコールの雲を探索。
黒雲が迫ってくると、「スコールに備え、手空き総員

スコール浴び

方」と艦内に響き渡ります。すると甲板へ兵員が上がってきて、手に持ったオスタップ(手桶)やチンケース(石油缶)で大いに水浴びを楽しんだそうですよ。

 とはいえ、スコールを浴びられるのは基本的に停泊中だけ。どうしてかというと、いったん

港を出ると、潜水艦の攻撃を警戒するため、そんな余裕は一切なくなる

からです。」